約 35,696 件
https://w.atwiki.jp/ryuunabe/pages/554.html
個人ACEのプロモーション あゆみの晋太郎久珂晋太郎(新婚) 船橋空歌MK2船橋空歌MK3 高原家の母アララ 光の真央 霧賀小助2 トラナ=クイーンハート2 松井総一郎2 比野火焔2 浅田遥2 緋璃のラファエロ緋色のペンギン 白石ほむら2 カール・瀧野・ドラケン2 銀内優斗2 奥羽恭兵2
https://w.atwiki.jp/emp3037/pages/445.html
J-270 エコーズACT1 J-270 U [[スタンド]] [[ダイヤモンドは砕けない]] ▲スタンドの付いた味方1人を、ステージのスケールを無視して「アタック/ブロック」できるようにする(対象キャラのレベルは合計されない)。 友・幽 康一 出典: 対象となる味方にスタンドを付けなければならないが、スケール無視の能力は非常に便利。 行動タイプ(▲)にもかかわらず、なぜかブロックも対象になっているため J-349 広瀬康一に付けることで真価を発揮するとも言える。
https://w.atwiki.jp/kurogirihankoku/pages/364.html
評価値 名称 体格 筋力 耐久 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運 基礎評価 19 19 19 19 19 19 19 19 19 継承 1 1 1 1 1 1 1 1 1 総評価 20 20 20 20 20 20 20 20 20 ○英吏・M・シバムラのHQ継承:全能力+1(根拠) 可能行為(括弧内はフルブースト時) 白兵戦:21(21) 近距離戦:21(22) 中距離戦:21(23) 遠距離戦:20(21) 治療:20(26) ※単独評価の場合、これに-2する。 ※山岳、森林での場合、これに+3する。 L:アポロ・M・シバムラ={ t:名称=アポロ・M・シバムラ(ACE) t:評価=全能力19 t:特殊={ アポロ・M・シバムラのACEカテゴリ=PLACE、個人ACEとして扱う。 アポロ・M・シバムラの見なし職業=歩兵、山岳騎兵、医師、名医と見なす。 アポロ・M・シバムラは一人で物事を判断する時、全能力-2修正を得る。 } t:みなし職業の特殊={ 歩兵はI=Dに乗っていない時、独自で近距離戦行為が可能で、この時、燃料1万tを消費して評価修正+1を得る事ができる。 歩兵はI=Dに乗っていない時、独自で中距離戦行為が可能で、この時、燃料1万tを消費して評価修正+2を得る事ができる。 歩兵はI=Dに乗っていない時、独自で遠距離戦行為が可能で、この時、燃料1万tを消費して評価修正+1を得る事ができる。 山岳騎兵は白兵戦行為が可能で、この時、攻撃判定に評価修正+1を得る。 山岳騎兵は射撃戦行為が可能で、近・中距離を攻撃できる。この時、攻撃判定に評価修正+1を得る。 山岳騎兵は山岳、森林での全ての判定で評価修正+3を得る。 医師は治療行為が可能で、治療判定の際に燃料2万tを消費して評価修正+3を得る事ができる。 名医は治療行為が可能で、治療判定の際に燃料1万tを消費して評価修正+3を得る事ができる。 名医は治療判定の際に幸運評価が求められた場合、評価修正+2を得る。 } }
https://w.atwiki.jp/yonta/pages/128.html
わん太(ACE) 名称:・わん太(ACE) 要点:・犬耳・半ズボン・黒い鼻 周辺環境:・ひまわり畑 評価:全能力16 特殊: わん太は犬、犬妖精、犬の決戦存在として見なし,これらの持つ全ての特殊が使える。 犬妖精はコパイロット行為が出来る。 犬妖精はオペレーター行為が出来る。 犬妖精は追跡行為が出来る。この時、追跡の判定は×3.38(評価3)され、燃料は必ず-1万tされる。 犬妖精は白兵戦行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は×1.50(評価1)され、燃料は必ず-1万tされる。 犬は夜間戦闘行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は×2.25(評価2)され、燃料は必ず-2万tされる。 犬は追跡行為が出来、判定は×3.38(評価3)される。 犬は指定が基本職業(最初にとることが出来る職業アイドレス)であればリクエスト制限を受けずにイベントに参加出来る。 犬は移動時ARの消費を1少なくすることが出来る。 犬の決戦存在はコパイロット行為が出来る。 犬の決戦存在はオペレーター行為が出来る。この時、オペレーターの判定は×3.38(評価3)され、燃料は必ず-1万tされる。 犬の決戦存在は追跡行為が出来る。この時、追跡の判定は×3.38(評価3)され、燃料は必ず-1万tされる。 犬の決戦存在は白兵戦行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は×1.50(評価1)される。 犬の決戦存在は飼い主を対象とする攻撃を替わりに受けることが出来る。 →次のアイドレス:・ラリ(ACE)・アテナンタ=バルキリー=G氏族(ACE)・アイアン=ジョー(ACE)・犬(職業)・犬の決戦存在(職業)・ダン=ハウンド(ACE) イラスト イラスト: 竿崎 裕樹@よんた藩国 支那実@よんた藩国 設定 「出会いのお話」 「あ~、今日もいい天気だねえ・・・・・」 日向葵(ひゅうがあおい)のヒマワリ畑をフラフラと歩く一人の男がいる。 坊主頭で眼鏡をかけたその男、よんた藩国藩王、よんた。 今日もやっぱり書類の山から避難して国の様子をみて回っている。 本人いわく、これはサボリじゃない、実地調査だ。とのことだがとてもそうは見えない。 「今日はどこの店に喰いにいこうかなあ~」 そんなことを鼻歌まじりに呟きながら歩いていると、ひまわりの下でのびている犬の少年を見つけた。 半パンで黒鼻。その犬少年、舌をだしてきゅ~っとなっている。 とりあえず、かけよるよんた。 「お、おい、だいじょうぶ・・・か?」 少年は聞えるか聞えないかくらいの声で何かを言っている。 耳をよせてみると・・・・・・。 「はら・・・・・へった・・・・・」 「はへ?」(ああ、行き倒れか。 なにか妙な親近感を覚えたらしいよんたは、その少年を背負い近くの民家へと。 (この辺ならまあ農家も多いし、何かくわせてくれるだろう。うん。) 少し歩くと家々が見えてきた。 そのうちの一軒の玄関の前に立ち、家の奥にむかって、 「おばっ・・・・・・おね~ちゃ~ん、ちょっと腹へって目回した坊主いるんだけど~。固いのもらっていい?」 声をかける。 奥からどうぞ~との返事が返ってきたので、少年を家の外壁にもたれかけさせ、 軒先においてあるよんた饅(自家製、通称固いの。詳しい設定はよんた藩国国家事情参照)を手に取って少年の口元に近づけた。 「お~い。メシだぞ、喰えるか?」 少年はクンクン鼻をならしてそれが食べ物と理解するやいなや、ひったくるように固いのを奪取。 むさぼり喰い始める。 ガッガッガッガッガガッガ。 エライ勢いである。 かなり大きめだったそれをペロリと平らげると、 「おかわりっ!!」 「お・・・・・・・おう」 言われるままにまた持ってきて差し出す。 それもペロっと完食してまた追加。 そんなことを何度か繰り返していると、 「うぐっ!」 胸に詰まったらしくドンドンたたき出す少年。 「ああ・・・・・・。ちょっと~!おね~さ~ん!!」 玄関からあいよ~とその家の奥さんが出てきた。 手もったトレイには水とスープ。 まず水を差し出すと少年は一気に飲み干した。 「ふぅ・・・・・・」 一息ついたところで、奥さんはスープを少年にわたす。 「おなかすいてたんだってねえ。固いのだけじゃ胃に悪いだろうから、これもおあがり」 「ありがとうっ!」 少年は旨そうにスープをすすっていく。 どうやらもう大丈夫そうだ。 スープも飲み干し、一息ついたところで少年に名前なんかを聞いてみた。 少年の名はわん太。 そう、イグドラシルの導きによってこの国に来たACE。 なんでまあ、こんな出会いするかなとも思ったが、お互いそれらしい出会いであろう。 苦笑しつつも嬉しくもある。 導きに感謝を。 こうして食い意地の張った王の下に同じく食い意地のはったACEが居つくことになるのであった。 文: よんた@よんた藩国
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1831.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション05:CSC(その2) 「う~す、おっはー」 陽気な挨拶と共に芹沢九十九が現れた。 「……また来た……」 「やほ」 「……やほ」 渋い顔をする京子の横で、真紀が無表情にその手を挙げる。 「随分普通に戻ってきたね、真紀ちゃん」 「おかげさまで……」 変人ではあるが、同時に恩人でもある。 京子も芹沢には強く出られなかった。 「……大学の教授なんでしょう? こんなに足繁く病院に来ている暇があるんですか?」 「いや~、それがね。最近はケモテックで顧問技術者をやっているから、授業なんか全部人任せ」 「……ダメな大人」 京子が溜息を吐く。 「そう言えば、この間真紀ちゃんにお願いされた物、手に入れてきたよ~」 「真紀が?」 「うん、MMSの基礎資料見せたら、『これが欲しい』って」 「……真紀に変なもの見せてるんじゃ無いでしょうね?」 どういう訳か、真紀は芹沢に懐いているようで、芹沢の影響を強く受けているようだった。 何時だったか、猫耳と犬耳について真剣に議論していたことがあるのを思い出し、京子は頭を抱える。 「……で、何を持ってきたの?」 「試作品のMMS素体と、結晶記憶体とか、後よく分からないものが数点じゃのぅ」 「そんなの持ち出して良いの? 企業秘密とかあるんでしょう?」 「いいのいいの。隠してこっそり研究するより、真紀ちゃんの柔軟な発想にインスピレーションを得ることの方が大切なのじゃよん」 「……」 「……後は、前の脳波データ……」 「あいよ、言われたとおりに処理して持ってきた。……でも、こんな重複しまくってるデータで何するの?」 「……適応放散」 「???」 真紀の言葉が理解できなかったのは芹沢も同じのようで、彼はその日そのまま帰った。 その後、芹沢の去った病室で、真紀が一心にMMSと繋いだパソコンを弄っているのが、強く印象に残っていた。 ◆ それは、神姫の産声。 ―――それが、神姫の産声。 ◆ 「始めまして、芹沢教授」 「……」 芹沢が息を呑む。 「私は、MMSオートマトン。名前は―――」 流麗な自己紹介をする“彼女”は、人間ではなかった。 「……そんな、事が……」 呆然と、それを見る芹沢。 芹沢の心境は心の欠けた真紀には分からない。 京子がそれを知るには、芹沢と同じだけの時を生きる必要があるだろう。 真紀の膝の上の“彼女”は、身長15cmのロボットだった。 それは、後に武装神姫と呼ばれる事になる最初の一人。 そして、5年後の天海において、『幽霊』の名で語られる最強の“神姫”だった。 ◆ 誰が悪い訳でもない。 そう言う意味では、彼女の敵は世界そのものだったのかもしれない。 ◆ 「……凄い結果だよ、身体性能も思考性能もこちらの想定を遥かに上回っている」 KemotechとFrontLineが共同で設立したMMSの開発室、その一室で芹沢が“彼女”のデータの解析結果を纏めていた。 「特に思考関連は凄いね。……チューリングに完全に対応できるAIなんて100年は出来ないと思っていたよ」 「……凄い?」 「凄いとも。いや、凄すぎるよ。コレはもう人間の道具じゃない。人類の新しいパートナーになるかもしれないよ」 「……パートナー?」 「うん、人間の新しい友達だね」 「……友達」 そう呟く真紀の顔は相変わらずの無表情のまま。 だがしかし、心なしか嬉しそうにも見え、京子は視線を外す。 (……芹沢さんが、真紀を……) 妹の心を解き放って行くのが自分ではない事に、京子は少なからず疎外感を覚えていた。 「……あの、芹沢さん。これは?」 彷徨わせていた視界の隅に、一振りの剣を見つけ、京子はそれを芹沢に問う。 なぜならばそれは、人の為の剣ではなく、明らかにMMSの為の剣であったからだ。 「ああ、それか。フロントラインの方からね、MMSに戦闘をさせる企画が来て、その試作品だよ」 「……」 よく見れば剣の他にも、銃などの武器が幾つも置かれている。 「……?」 その一つ、一番大きな塊を手にしてみるが、何なのかよく分からない。 「……それ、レーザー砲なんだってさ」 呆れたように溜息を吐く芹沢。 「……最も、出力もたいした事無い癖に大きすぎて、到底使い物にはならないみたいだけどね……」 「……」 確かに、触媒のルビーレンズもサイズと想定出力の相違を調整されておらず、放電管の造りも粗雑過ぎる。 内部の反射鏡も無駄に大きな構造で、重量と収納の無駄遣いも良い所だ。 これでは大した威力も射程も無いレーザー数発の射撃で、根本から破損する事は誰の目にも明らかだろう。 「…………ん~」 「興味ある? なんならそれ、上げても良いよ」 「……いいの?」 「どうせサンプルとしてもらったものだし、肝心のMMSがこんな性能を出したんだ。今までの想定で作った武器なんてもうゴミだよ」 「……」 頭の中で青地図ができる。 (触媒の構造を多重構造にして、反射鏡の透過率を変更。あとは屈折率の最大効率を計算しなおして……) 京子の頭の中でレーザー砲を称した鉄塊が、大きくその姿を変えてゆく。 より軽く、より強く。 それが、京子にしか出来ないことなのだと、彼女自身が知るのはまだまだ先の事。 ◆ そして、それは彼女達の運命を変えてゆく……。 インターミッション06:武装神姫につづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る 作中で触れているチューリングテストについて少々捕捉。 チューリングテストとはチューリング博士によって提唱されたAIに対するテストです。 チャットなどでAIに対して質問をし、その回答を人間(テスト官)が吟味し、AIか人間かを判断するというもの。 テスト官は自由に質問を行ってよく、AIは可能な限り人間に近い返答をすると言うもの。 この際、AIはわざと時間をかける、間違える、などをして人間を装うことも許される。 幾つか反論も出たが、作中の(そして皆様の想像する)神姫はこの反論すら許さぬほどに完璧なAIを備えている。 ここまで来るともう、相手がAIか人かを判断する意味は無いと思う。 ◆ AC4fA、今もプレイ中。 アセンしているだけで数時間潰れる。 でも幸せ。 相変わらずビジュアル重視の重AC。 ARGYROS/H EKHAZAR-CORE SOLDNER-G8A SOLDNER-G8L FLUORITE EB-R500 MUSSELSHELL OGOTO MUSSELSHELL(肩) はい、お分かりですね。 性能なんて何処か遠くの空の彼方です。 でもそれで良い。 夢はコイツで全てのハードミッションをSクリア。 ……無理か? ALCでした。
https://w.atwiki.jp/support00/pages/614.html
名前 ・カオリ=サザーランド(ACE) 要点 ・オレンジ髪・グローブ・強そうな女 周辺環境 ・青の厚志 評価 全能力18 特殊 *カオリ=サザーランドは拳法家、偵察兵、神の手、知恵者の娘として見なし,これらの持つ全ての特殊が使える。 *カオリ=サザーランドは移動の判定をするとき必ず成功する。 →次のアイドレス ・アイアンソブリン(ACE)?・青を護りし者(職業)?・拳闘家(職業)?・希望の戦士(ACE)?
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/1794.html
地縛神 Ccapac Apu(アニメ) 効果モンスター 星10/闇属性/悪魔族/攻3000/守2500 このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、 「地縛神」と名のつくカードを召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができない。 フィールド上にフィールド魔法が表側表示で存在しない場合、 このカードの以下の効果は無効となり、 このカードはエンドフェイズ時に破壊される。 ●このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。 ●相手モンスターはこのカードを攻撃対象にする事ができない。 ●このカードは相手の魔法・[[罠カード]]の効果を受けない。 ●このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、 破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。 地縛神 悪魔族 最上級モンスター 直接ダメージ 罠耐性 行動制限 闇属性 魔法耐性 同名カード 地縛神 Ccapac Apu(OCG)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2152.html
ウサギのナミダ ACT 1-26 ■ 雪華さんが最大攻撃を展開しようとしたとき、わたしは再び走り出そうとしていた。 あの人は強い。 強いに決まっている。 わたしたちが出場することのかなわない、公式大会の優勝候補なのだから。 武装も、技も、経験も、すべてわたしを上回る。 でも、勝ちたい。 勝たなくてはならない。 雪華さんと戦う機会なんて、今を除いて他にない。 わたしの望みを果たす、最初で最後のチャンス。 すべてを上回る敵に勝つためには。 わたし自身が限界を超えなくては、勝ち目はない。 それはマスターの言いつけに反旗を翻す行為だ。 マスター、ごめんなさい。 わたしはやっぱり、だめな神姫ですね。マスターの言いつけ一つ、守れません。 でも、どうしても、このバトルに勝ちたいんです。 勝利をマスターに捧げたいんです。 許してくれなくてもいい。 それが、たったひとつだけ、わたしがマスターにしてあげられることだから。 わたしは今の位置から動かず、身体の各部をチェックする。 先ほどのダメージは大きいけれど、幸いにレッグパーツに大きな損傷はない。 パフォーマンスは維持できる。 ならばいける。 まだわたしにはやれることがある。 誰にも、マスターにも見せていない技がある。 マスターには内緒で練習していた。完成したら報告するつもりでいた、この技。 わたしはうずくまった体勢をほんの少し変える。 両手を地面につき、腰を少し持ち上げる。右膝を身体に寄せて、左脚を後方に突っ張った。 クラウチング・スタート。 陸上競技短距離走で使われているスタート体勢だ。 スタートの踏み切り、重心の移動、ホイールの回転、それらすべてのタイミングが合えば、たった一歩でトップスピードに乗れる。 でも、何度も練習したけれど難しくて、成功するのは三回に一回くらい。 それでもわたしはこの技を使う。必ず成功させる。これならば、雪華さんがどんな攻撃をしてきても、絶対にかわせるはずだ。 わたしは武装を確認する。 左腕のハードポイントに装着されたコンバットナイフが一本。それだけ。 ならば方法は一つだけ。 スピードで近づき、ナイフによる一撃をくわえる。一番得意の攻撃スタイルだ。 空中のエネルギーの増大を感じる。 雪華さんの最大攻撃に間違いない。 雪華さんから光がほとばしるその瞬間。 わたしは、スタートを切った。 □ 『アーンヴァル・クイーン』の最大攻撃に、俺も呆けたように見入っていた。 確か、クイーンの幻の技と噂される攻撃だった。 真に認めた相手にしか使わないと言われるその技は、雪華という神姫の誇り高さも手伝って、滅多にお目にかかることが出来ない。 先の大会でも、一度も使われたことがないはずだ。 この技を繰り出したということは、ティアが雪華に認められたということなのか……。 俺は、ティアが負けたというのに、安堵してしまっていた。 俺を現実に引き戻したのは、モバイルPCからの耳障りな警告音だった。 画面を見て、俺は低くうめいた。 レッグパーツのモニター数値が次々に限界突破の赤字で表示されてゆく。 それはいままでに使用したことがないほどの領域での機動をしていることを意味している。 ティアはまだ生きている。 戦うことをやめていない。 だが、 先ほどの一瞬で、マスターである俺が、ティアの姿をロストしてしまっていた。 ティアは何をしているのか、それさえわからない。 自らの限界を超えて機動することは、自滅の可能性を加速度的に高めている。 ティアにはいつも言い含めていた。 自分に出来ない機動はするな、と。 その言いつけを破ってまで、ティアは戦い続けようとしている。 サイドボードの武装は尽き、もうろくな武装も残ってはいない。 勝ち目なんてあるはずがない。 それでも、ティアは疾走をやめようとしない。 「ティア……おまえ……」 なぜそうまでして、戦い続けようとするんだ、お前は? あの『アーンヴァル・クイーン』を相手にここまでの戦いぶりは立派だった。 それで十分じゃないのか。 ティアの姿をようやく見つけたとき、彼女はトップスピードのままビルの壁面を駆け上がってジャンプするところだった。 空中できれいなトンボを切ると、鋭い膝蹴りの体勢。 ティアは雪華の直上にいた。 ◆ 高度を落としていたのは幸いだったといえるだろうか。 ティアの膝蹴りを直撃で食らったが、空中で大きくバランスを崩すこともなく、地面に叩き付けられた。 地表激突時の衝撃は、思ったより大したことはなかった。これが高度からの錐もみ状態だったら、無事ではすまなかっただろう。 雪華は、身体と装備の損傷を確認しつつ、立ち上がった。 四肢は無事。身体には衝撃のショックが残っているが、戦闘の続行に問題はない。 武器は『レクイエム』の状態から、落下のショックでバラバラになり、手元にあるのはビームガンだけだ。 蹴りの直撃を食らった右翼は、接続部が砕け、もがれていた。 もう羽は使い物にならない。浮遊程度の飛行なら腰のスカートバーニアで可能だが、戦闘機動は無理だ。 ティアの姿はない。空中での一撃の後、すぐにまた姿を消してしまった。 雪華の顔に、一瞬焦燥がよぎる。 状況は一変した。五分、あるいは雪華が不利か。 雪華は虎の子の必殺技を放った直後。バッテリーの残存量は心許ない。 ビーム兵器を乱発するわけにはいかない。しかし、実弾兵器を雪華は装備していなかった。 しかも、飛行能力を奪われた。 ティアのスピードに合わせた戦闘機動が出来ない以上、待ちかまえる以外の選択肢がない。 多少高度が取れるとしても、また叩き落とされるのがオチだろう。 雪華は戦慄する。 今、自分は、狩られる側に回ったのだ。 圧倒的な有利を覆されて。 甲高いホイール音が廃墟に響く。 どこから出てくるのか……。 逡巡している暇もあらばこそ。 ティアほどのスピードスターに対して、それは隙も同然だった。 雪華の右後方のビルの上から出現したティアは、雪華めがけて弾丸のように飛び出すと、勢いに任せてコンバットナイフを振り下ろす。 攻撃を受ける直前に気が付いた雪華であったが、対応は間に合わない。 コンバットナイフは雪華の手首を切断し、持っていたビームガンを取り落とした。 「あああぁぁっ!!」 雪華から悲痛な叫びが漏れる。 叫びながらも次の攻撃への迎撃体勢を整える雪華。 だが、ティアはあっという間に攻撃圏外へと離脱し、再び姿を消していた。 『雪華、大丈夫かい!?』 ここでマスターがようやく声をかけてきた。 遅い、と雪華は思う。 次の攻撃が来たら、雪華の心は折られていたかもしれない。 『落ち着いて迎撃体制を整えるんだ。右腕は装甲を使って盾として運用。ビームガンを左手で持ってで迎撃。それから、すぐに高度を取れ』 「しかし、翼が壊れています」 『腰のバーニアだけでも、浮遊くらいは出来るだろう? 地上は相手のフィールドだ。少しくらい上空の方がまだ戦いやすい。 翼はもう使い物にならないから、パージして』 「了解」 『相手の武器はコンバットナイフ一本だ。恐れることはない。落ち着いて戦えばいい。状況はまだこちらに有利だからね』 「はい、マスター」 だが、マスターの指示は的確である。 このくらいの危機は、以前何度も体験している。 踏んだ場数は伊達ではない。 雪華は心を落ち着かせると、四方に注意を払いながら、右腕を胸元に寄せて盾とし、左腕でビームガンを構える。 そして、自らの象徴でもある翼を、パージして捨てた。 腰部バーニアの上昇能力には問題がないようだ。 少しふらつきながらも、ゆっくりと上昇を始めた。 その時だ。 正面左側の路地から、黒い疾風が飛び出した。 ティアだ。 いままで見たこともない速度で、正面から突進してくる。 雪華はビームガンで牽制した。二発、三発。青白いレーザー光がストリートの彼方へと閃く。 ティアは必中のレーザービームを、トップスピードのまま滑らかにかわして見せた。 雪華は再び戦慄する。 今の射撃は、ティアの運動性能を計算に入れ、補正した上での射撃であったはずだ。 しかし、回避した。最小限の動きで、スピードを落とさずに、である。 この回避は明らかにオーバースペックである。神懸かり的な機動だ。 焦りに駆られ、雪華はビームガンを乱射する。とはいえ、雪華の攻撃は正確無比だった。 しかし、ことごとくかわされる。 雪華はティアを見た。 目が合う。 ティアも雪華を見据えていた。 ティアの瞳は闘志に燃えていた。必ず勝つ。執念のほの暗い炎が揺らめいているようだった。 ばかな。 これは大会でもなんでもない、ただの草バトルに過ぎない。 なのに、何故これほどまでに勝利を欲するのか? 自らの限界を超えてまで。 彼女はこの戦いに何を賭けているというのか。 すべての攻撃をかわし、ティアは雪華の懐に入り込んだ。 雪華の右脇をすり抜けつつ、逆手に握ったコンバットナイフを袈裟懸けに振り下ろす。 しかし、今度は雪華の負傷した右腕が、渾身の一撃を防いだ。 雪華の美貌が苦痛にゆがむ。 ナイフは雪華の右腕の装甲を割り、肘間接の機構まで食い込んで止まった。 すり抜けざまの攻防で、食い込んだナイフを引き抜くことは出来ない。 ティアはナイフを雪華に預けたまま、すれ違い、離脱してゆく。 □ ティアの行動は、完全に俺の指令から逸脱していた。 マスターの命令を無視した暴走神姫。そう取られても仕方がない。 この時点で、俺は試合を放棄することも出来た。それはマスターの正当な権限だ。 筐体に備え付けられているサレンダー・ボタンを押せば、それだけで決着が付く。 止めるべきだ、と俺の心の奥底から声がする。 今のティアは、限界を超えた機動を繰り返している。 それは、細い糸の上で綱渡りをするようなもの。 安全マージンの取れない機動は、ほんの少しのギャップ、取り回しのミスなどで大転倒、大事故に繋がる。 しかも、先ほどの膝蹴りで、レッグパーツのフレームが歪んでしまっている。繊細なトリックをするのは難しい。 今のように限界以上にホイールを回転させていれば、ホイール自体に負荷がかかり、いずれ砕け散る。 相手に倒されるよりも自滅する可能性の方がはるかに高くなっているのだ。 しかし、俺は、この試合を止められなかった。 俺のいいつけをいつも従順に守ってきたティア。 いつもオドオドしながら俺と話し、機嫌を伺うように上目遣いで俺を見つめ、俺の命令を熱心に聞いている神姫。 そんな彼女が、俺に逆らってまで、危険な綱渡りをしてまで、戦い続けている。 あいつがこの戦いに賭けるものはなんなのか。 マスターである俺こそが知りたかったのだ。 声を発することも出来ず、ただ神姫の姿を呆然と見守っている俺の姿は、さぞかし間抜けに見えているだろう。 だが、もう俺には命令を下すことができない。俺は負けてもいいと思ってしまった。命令する権利なんか、俺にはなかった。 もう、見守るしかできない。 ティアが雪華とのすれ違いざまに一撃をくわえた。 唯一の武装だったコンバットナイフを手放した。 だが、ティアをモニターしているモバイルPCには、新たな武装が表示されている。 行け、ティア。 お前が思うままに舞い踊れ。 ◆ 雪華は緩やかな上昇を続けていた。 傷ついた右腕を、割れた装甲と食い込んだコンバットナイフと一緒に、切り離して捨てる。 いまや使用可能な武装は、左腕のビームガンと、両腰に装備されたライトセイバーだけだ。 身を守る盾は期待できない。 次の攻防で相手を確実に迎撃できなければ、敗北する。 迫り来る直後の攻防こそが最後の戦闘である。 最低限の体制は整えた。 だが、あまりにも心細い。 ティアには武器がないはずだ。最後の武器は、今雪華が自らの右腕とともに捨てた。 装備の上では、まだ雪華の方に分があった。 それでも、追いつめられているのは雪華の方だった。 ホイール音はさらに甲高くなって、廃墟の街に響いている。 瞳はせわしなく周囲に視線を送る。序盤に破壊されたヘッドギアのせいで、敵を感知する能力が極端に下がっている。 視覚、聴覚センサーがとらえる微細な変化にも過剰に反応してしまう。 上昇のスピードの遅さにいらだち、バッテリーの残量に心細さを覚える。 かつて、これほど追いつめられた戦いがあっただろうか。 バトルを始めた頃は、幾度も負けたし、危うい勝利を手にしたことは何度もある。 しかし、連勝を重ね、優勝候補に名を連ねるようになってからは、これほどの消耗戦は経験していない。 誇り高き女王・雪華は、通常の試合であったなら、この状況を屈辱と感じていただろう。 しかし、雪華はティアの瞳を見てしまった。彼女の、この試合に賭ける闘志を感じてしまった。 そして、未知の戦闘スタイルを、このクイーンを追いつめるほどに編み上げてくるとは。 自らの必殺技を出してなお、迫り来る強敵。 雪華は、屈辱以上に、戦慄以上に、強敵への純粋な敬意を感じている。 それを自覚した瞬間、雪華のAIから迷いが消えた。 強敵に対峙する覚悟が、彼女の胸を占める。 迎え撃つ。 そう覚悟を決めて、正面を見据えた。 瞬間。 三度、黒い疾風が現れた。 今度は、雪華の斜め右下方の路地から飛び出し、ストリートを斜めに横切ってくる。 雪華は牽制のビーム射撃。 なんなくかわされる。着弾位置はすべてティアの後方だった。 ティアのスピードはさらに上がっているようだ。 あっという間にストリートを横切ると、スピードを落とさぬまま、左手のビルの壁を駆け上がる。 やはり、雪華の高度まで上がってきて、接近戦を仕掛けるつもりだ。 雪華もそれは予測していた。 取り回しの悪いビームガンを捨てた。どうせ当たらない。これが最後の攻防だ。 雪華はティアを迎え撃とうと、右腰のライトセイバーに左手を伸ばす。 ない。 「なに!?」 驚きのあまり声を上げる雪華。 確かに、先ほどまで両腰にあったはずだ。 使った覚えも、落とした記憶もない。 ならばどこに…… ティアはさらに速度を上げて突進してくる。 この試合最速の動きで、ティアは雪華に向かってきた。 ティアが右手を掲げる。 その手には、雪華のライトセイバーが握られている。 なぜ、いつ? ティアの手にライトセイバーが渡った!? 雪華は一瞬に思いを巡らす。 あのとき。 二度目の交差、ティアがコンバットナイフを捨て、無手になったその時。 すれ違いざまに、雪華のライトセイバーを奪っていたのだ。 雪華は恐怖に近い戦慄を覚えた。 勝利への執念。 ティアのあまりにも強い勝利への執着が、雪華にからみついてくるようだ。 なぜ、どうして。この草バトルにどれほどの意味がある!? 雪華の無言の問いに気づくはずもない。 ティアが壁を踏み切る。 瞬間、ホイールが砕け散る。 ティアがライトセイバーの光刃を伸ばし、間合いに飛び込んでくる。 左のライトセイバーを逆手で取って払う……間に合わない! 「やあああぁっ!!」 裂帛の気合いとともに、ティアのライトセイバーが、雪華の胸を狙って突き出された。 その機動は、雪華も無意識のうちであったという。 右腰に触れていた左手を鞭のようにふるって、ライトセイバーの柄を叩き、刃の軌道を逸らした。 同時に身をよじるようにして光刃をかわす動作。 からくも直撃を免れたライトセイバーは、雪華の美しい銀髪を巻き込みながら、翼があったはずの空間を貫いた。 腕を振り、身を捻った勢いそのままに、雪華は右足で蹴りを放つ。 直撃。 腹部の衝撃に、ティアの顔が驚愕で彩られる。 雪華もまた驚きに目を見開いていた。この一撃は、雪華が意図したものでは全くなかったからだ。 お互いの驚きで、動きが一瞬停止した。 その状況をすぐさまうち破ったのは、高村だった。 『雪華! 下方にバーニア全開!!』 「はいっ!!」 雪華は、残存バッテリーなど気にもせず、腰部のスカートバーニアを全開にした。 スピードが上がり、加速がつく。 雪華はティアを右脚の先に引っかけたまま、突進した。 斜め下の地表まで。 勢いを殺さぬまま、雪華はティアを地面に激突させた。 轟音が響き渡る。 砂煙がもうもうと上がり、衝撃の大きさを物語っている。 やがて、煙が晴れてくると、二人の神姫の姿が見えてきた。 ティアは、地面に半ばめり込んだまま動かない。 手から力が抜け、雪華から奪ったライトセイバーが、力無く転がった。 雪華もまた膝をついている。 右脚の関節から紫電が散っていた。臑のレッグパーツにも大きなひび割れができている。 最後の一撃は、雪華にもまた衝撃とダメージを与えていた。 バッテリーも底をつきかけている。 それでも、雪華は立ち上がる。 自らの誇りと矜持を示すために。 ゆっくりと片脚で立ち上がると、凛として顔を上げた。 廃墟を吹き抜ける風が、二人の神姫をなでてゆく。 雪華の長い銀髪が宙に舞い、決然とした表情を顕わにした。 ファンファーレが鳴る。 『WINNER:雪華』 バーチャルフィールドに、雪華の勝利を示す立体の文字列が浮かび上がった。 試合終了。 見慣れた立体文字の連なりを、今日ほどむなしい気持ちで見上げたことはない。 試合には勝った。 だが、これは本当に勝利なのだろうか? もう首を動かすのもつらいほど、バッテリーは限界だった。 地面に叩きつけられたままのティアを見る。 疲れ切ったような表情で目を閉じ、倒れている。 腹部の銃痕、右脚のレッグパーツのホイールは砕けている。 だが、四肢は無事だ。 意識があれば、まだ無事な左脚で走り、挑んでくるだろう。 それに比べて自分はどうだ。 右腕を失い、右脚も破損。翼も武器も失い、バッテリーも尽きかけている。 もう戦う術も残ってはいない。 勝敗を分けたのは、無意識の戦闘行動。それのみ。 勝ったなどと、どの口で言える? 雪華はティアを見つめ続けている。 限界を超えて自分に迫ってきた神姫。 そのポテンシャルの源はどこにあるというのだろう。 雪華の無言の問いに答えることもなく。 ティアの身体は、ポリゴンの欠片に砕けて、風に流れ、消えていった。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/support00/pages/815.html
名称 ・モシン・イブラヒム(ACE) 要点 ・黒い肌・白い歯・眼鏡・長身・イエロージャンパー 周辺環境 ・浅草の雷門 評価 全能力18 特殊 *モシン・イブラヒムは器用を使った判定で必ず成功する。 *モシン・イブラヒムは世界忍者、特殊部隊員、追跡者として扱いそれらが使う特殊を使うことが出来る。 →次のアイドレス 世界忍者(職業)、稲妻の指(絶技)?、ガンパレードマーチ(絶技)?、千ちゃん(ACE)?
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2125.html
ウサギのナミダ ACT 1-12 □ 海藤がコーヒーカップをゆっくりと配り、そっと溜息をついた。 「僕がバトルロンドをやめた理由……言ったことなかったっけ?」 「ないな……君から自分のバトルの話自体、聞いたことがない」 そうか、とコーヒーを一口飲んで、また一つ溜息をつく。 海藤も以前はバトルロンドのプレイヤーだった。 実力もかなりのものであったらしい。 だが、俺が神姫を血眼になって探すようになった頃には、すでにバトルロンドをやめていた。 だが、興味がなくなったわけではないらしい。 今でも、主要な大会の映像はチェックしているようだし、バトルロンド用のパーツや改造方法なんか俺より詳しいくらいだ。 だからなおのこと、俺には海藤がバトルをやらないことが解せない。 「……あまり、格好のいい話じゃないんだ」 「……今の俺以上に格好悪いマスターはいないから安心しろ」 苦笑しながら、海藤はさらにコーヒーを一口。 そして、観念したように目を閉じた。 「僕がバトルロンドをやめた理由はね……バトルロンドを嫌いになりたくなかったからだよ」 かつて、俺も通うあのゲームセンターに、腕利きの神姫プレイヤーがいた。 空中戦闘タイプで、近距離、遠距離共にこなす万能タイプ。的確な戦術と、高度な技術に裏打ちされた戦闘スタイル。 マジックマーケット社製の武装パーツを中心に組み上げられた武装は、エウクランテの羽とイーアネイラの下半身パーツを中心にして、水中を泳ぐがごとく自在に飛行することが出来た。 勇猛果敢な戦闘スタイルと、空中を自在に翔る姿から、『シードラゴン』とあだ名されていた。 それが、海藤仁と神姫・アクアだった。 「シードラゴンか……聞いたことあるな……三強の一人が、同じような武装をしている」 「あの装備は、羽と鰭の連動が難しいんだけど……へぇ、使いこなせる神姫がいるなんてね。会ってみたいな」 「……やめておいた方がいいぞ。人間性に問題があるから」 シードラゴンは公式大会にも積極的に参加した。 公式のポイントも稼ぎ、ホビーショップや神姫センターで行われるローカル大会でも勝つようになり、少しずつ知名度も上がっていった。 いきつけのゲーセンではトッププレイヤーの仲間入りを果たし、シードラゴンの噂を聞きつけてゲーセンにやってくる神姫プレイヤーもいた。 そして、来たる全国大会。ここC県エリアの代表候補に、シードラゴンのアクアの名前が挙がっていた。 「その当時のこと、『ヘルハウンド・ハウリング』のマスターなら知ってるかな」 「ああ、彼はまだバトロン現役なんだ? がんばるなぁ」 「最近は三強の一角で、ちょっと天狗になっているけど」 「僕がやってるころはまだ、その二つ名で呼ばれはじめた頃だったよ」 そして、待ちに待った全国大会の地区予選の時がやってきた。 公式の神姫センターで開催される大規模な大会。 県内から有力な神姫が集まり、バトルを繰り広げる。 海藤とアクアは、意気揚々と大会に臨んだ。 シードラゴンは順調に駒を進めた。 そして準決勝。 いずれ劣らぬ武装神姫ばかりだったが、マスターと神姫の連携、戦術はシードラゴンが頭一つ抜きんでていた。 C県エリア代表はシードラゴンのアクアだと、誰もが信じていた。 海藤も優勝する自信があった。 「だけど……僕たちは準決勝を戦えなかった」 「……なぜ?」 「他の準決勝進出者からクレームが入ったんだ。違反行為をしている可能性がある、ってね」 「そんなこと……君がしたとは思えない」 海藤との付き合いは高校一年の時からだが、そういうルール違反に手を染めるような性格でないことはよくわかっている。 「うん、僕もしていない。しているはずがないんだ。でもさ……その準決勝進出の三人のマスターが口をそろえて抗議したんだ。 その理由がさ……おかしいんだよ」 海藤は笑った。ものすごく苦いものを飲んで、その味をごまかすような表情で。 「イーアネイラだから」 「え?」 「イーアネイラが、準決勝まで勝ち上がれるはずがない、そんなに強いはずがない、何か問題行為をしているに決まっている……ってね」 「な……」 俺は驚きを通り越して、あきれかえった。 そんなバカな話があるか。 特定の神姫が特別弱くて、決して勝ち上がってこられないなんて。 「そんなの、いいがかりもいいところじゃないか」 「うん……でも、その抗議は受け入れられた」 「……は?」 「それで、大会のスタッフが、準決勝前にアクアのボディと武装をチェックした」 アクアがテーブルの上から、心配そうに自分のマスターを見上げている。 それを見て、俺の胸が痛んだ。 気軽に振っていい話じゃなかった、と今更後悔した。 「そしたらさ……武装に塗った塗料から、ごく微量のレーダー攪乱効果のある成分が見つかったって。 確かに、アクアの武装をネイビーブルーで塗装していたんだけどね……」 「……何の塗料使っていたんだ?」 「普通の、ホビーショップで売っている塗料だよ。一番ポピュラーなやつ」 「そんなの、他に使っている神姫だっているはずじゃないか!」 あんまりな話に、つい声が大きくなってしまった。 すまん、と謝り、俺は下を向いて、海藤の話しに耳を傾ける。 「うん……だから、僕も抗議したよ。でも通らなかった。 もし準決勝を戦いたければ、塗装をしていない武装だけ使いなさいって言われてね」 視界に、海藤の手が見えた。 握った拳が白くなっている。 強く、握っている。今思い出しても、拳を握ってしまうほど悔しかったのだ。 「そんなことをしたら、アクアは何の装備もなく、素体だけで戦うことになってしまう。 それは無理だ。だから……棄権したんだ」 「……」 「で、その準決勝に出た三人が、実は秋葉原の神姫バトルミュージアムの出身でさ……」 「ちょっと待て。県内でバトルしてたわけじゃないのに、C県エリアの代表大会に出てたのか!?」 「そうだよ」 「そんな……それは筋が通らないんじゃないのか」 たとえば、高校のインターハイとかで、個人競技の選手が、都内の高校に通っているのに、別の県のインターハイ予選にエントリーして優勝してしまう。 それを「県の代表」ということが出来るのか。 「だけど、バトルの取得ポイントさえ足りていれば、どこの神姫センターの大会にでもエントリーできるんだ」 「そんなバカな……」 「そうなんだから仕方がない。 それで、そのバトルミュージアムでは、激戦の秋葉原を避けて、あちこちの郊外のエリア大会に遠征組を派遣したんだ」 「そんな……その連中が勝ち上がったら、全国大会じゃなくて、そんなの、ただの身内の大会じゃないか……」 「そういうのは少なからずあるよ。おそらく、関西でも、有力な神姫センターやゲーセン、ホビーショップでは同様のことをやってる。そうやって、同じ店から全国大会出場者が一人でも多く出れば、箔がつくしね」 公式大会に出る気は最初からなかったので、海藤の話は初耳だった。 てっきり、参加する大会のエリアに在住していなければ、そのエリアの大会には参加できないものだと思っていた。 今の海藤の話に、俺は納得できなかった。 全国大会ならば、そのエリアを代表する神姫が出場するべきであって、他のエリアから乗り込んでくるなんていうのは、ルール違反じゃないのか。 激戦区の選手達は、確かにレベルが高いのだろう。 地方のゲームセンターでならしているだけでは、勝てないのかもしれない。 だからといって、そのエリアに乗り込んでいって、エリア代表になるというのは違うと思う。 実力があれば何をしてもいいというのか。 その実力がない、地元の神姫プレイヤーが悪いというのか。 見ず知らずの遠征チームがやってきて、実力で大会を勝ち抜いて、地元を代表しますと言ったところで、地元の神姫プレイヤー達は心情的に納得が行かないだろう。 それに、よく見知った神姫が別のエリアから勝ち上がってきたところで、つまらないではないか。 別のエリアには、様々な戦い方をする、未だ知られていない実力者がいて、戦うことが出来るかもしれないのに。 俺が悶々と考えを巡らせていると、しばらく黙っていた海藤が口を開いた。 「まあ、遠野の言いたいこともわかるよ。僕もそうあるべきだと思ってる。 でも、現実は違う。 それで、さっきの続きに戻るけど……秋葉原の神姫バトルミュージアムって、あの鶴畑財閥の経営なんだ。 しかも、準決勝の三人は、鶴畑の次男坊・大紀の舎弟だった」 「っておい……それじゃあ、そのいいがかりは、まるっきり仕組まれてたんじゃないのか!?」 鶴畑財閥といえば、神姫のオーナーで知らない者はいないというほど有名だ。 あらゆる神姫関連の製品を扱っているし、公式大会の大手スポンサーでもある。 鶴畑財閥の御曹司三人は、いずれもバトルロンドのプレイヤーで、こちらも非常に有名である。 次男の大紀は、あまりいい噂を聞かないことで有名な人物だ。 大手スポンサーの鶴畑財閥と、その経営する神姫センター、そこから送り込まれた遠征組と、バックにいる次男坊……誰が考えても、海藤へのいいがかりは策謀だったとしか思えない。 「だけど、証拠がない」 興奮してしまっている俺に対し、海藤は至って冷静だった。 「大会の時は時間もなかったしね……真相は誰にも分からずじまいさ」 「君らだけが貧乏くじを引いて……それで、秋葉原の連中がC県の代表になったって言うのかよ……」 やりきれない話だ。 「大会の後、僕はゲーセンに行くのをやめた……翌日行ったら、みんなに卑怯者呼ばわりされてね……」 「……あそこのゲーセンはそんなのばっかりか」 「まあ、端から見てればそう見えるんだろうし……。 それで、僕はバトルロンドをやめることにした。 僕はバトルロンドが大好きで、今でも情報はチェックしているけど、もう自分でやりたいとは思わない。 実力ではない……何か別のところで勝負が決まっていることが、やっぱり、どうしても、許せなかったんだ。 このまま続けていれば、きっとバトルロンドが嫌いになる。バトルロンドを好きでい続けたいから……やめたんだ」 気の優しい海藤であっても、そこまで許せないものがあるのかと、正直驚いた。 そして、俺は自分が少し恥ずかしくなった。 「すまん……俺ばっかり、辛い目に遭ってるような顔をして……」 「何言ってるんだ。誘ったのは僕の方さ」 コーヒーを淹れ直そう、と空になったカップを回収し、海藤は立ち上がった。 俺があらためてドーナツの箱を開けると、テーブルの上にいるアクアと目が合った。 少し思い詰めたような表情。 アクアは思い切ったように、俺に言った。 「マスターは……それでも本当は、バトルロンドをやりたいのだと思います」 「え……」 「こら、アクア」 コーヒーを淹れて戻ってきた海藤がたしなめる。 「余計なこと、言うもんじゃない」 「ですが……マスターは、あのクイーンの戦いぶりを見て、目を輝かせていたではありませんか。まるで子供のように」 「クイーンのバトルを見て、ワクワクしない武装神姫ファンはいないよ」 海藤は俺の前にコーヒーを置いた。 そして言う。 「クイーンはすごいよね。あの秋葉原で、正々堂々戦って、そして全国出場を決めているんだ。尊敬するよ」 「そうか、秋葉原は鶴畑の……」 海藤は頷いた。 言ってみれば、秋葉原は鶴畑の本拠地だ。 そこで、彗星のように現れた神姫が、フェアプレーで、実力で勝ち上がったのだ。 海藤には大いに思うところがあるのだろう。 「いま仮に、前の装備を引っ張りだしてきて対戦しても、大した勝負にならない。だから対戦する気もないけど、協力はしてあげたいと思うよね」 そもそもクイーンと会う機会もないだろうけど、と海藤は苦笑した。 海藤の家を出るときには、雨が降っていた。 「これを使いなよ」 ビニール傘を貸してくれた。ありがたい。 雨の中、駅に向かう道すがら、俺はまた考えを巡らせる。 バトルロンドをやめた後、海藤はもう一つの趣味である熱帯魚の飼育が行きすぎて、ついには水族館でアルバイトをするようになった。 海藤は大学生だが、水族館に入り浸り、いまはほとんど大学に顔を出していない。 その水族館での仕事に、アクアをアシスタントとして使っている。 それがお客の目に留まり、少しずつ話題になった。 魚たちと一緒に水槽を泳ぐアクアの姿は、まさに人魚姫のようだ。 「K水族館の人魚姫」と呼ばれ、神姫の雑誌の表紙を飾ったこともある。 海藤はバトルロンド以外でアクアが活躍できる場所を見つけたのだ。 彼は俺に言った。 「神姫が活躍できる場所は、バトルロンドだけじゃない。戦う以外の道も選択肢だよ」 そうなのかもしれない。 俺はバトルロンドにこだわっていたが、そうでない道をティアに歩ませることが出来るのかもしれない。 ティアを大切に思うなら、もうこれ以上傷つけたくないと思うなら、そう言う道を探すのがマスターたる俺の仕事かもしれない。 海藤とアクアのように、バトルでなくても、自分達の活躍の場を得て、笑い合うことが出来るなら……それは幸せなことなのだろう。 そんなことを考えているうちに、気がつくとアパートの前にいた。 ポケットから鍵を出す。 扉を開ける。 慣れきった、無意識の動作。 「ただいま」 返事はなかった。 少し寂しい気持ちに捕らわれる。 ついこの間まで、ティアが来るまで、返事なんてなかったのに。 ティアの「おかえりなさい」という控えめな挨拶が、もう耳に慣れきっていたのだ。 ……なんで返事がない? ティアは自主練で留守番じゃなかったのか!? 俺は急いで靴を脱ぎ、玄関を駆け上がる。 部屋に飛び込んだ。 「ティア!?」 そこには誰の姿もない。 静まり返っている。 俺の荒い息と時計の音がやけにうるさい。 夕方の薄暗い部屋の中、PCのディスプレイの明かりが浮き上がって見える。 俺はマウスを操作し、スクリーンセーバーから通常画面に復帰させる。 マウスの手触りに違和感を覚え、机の上を見た。 「水滴……?」 キーボードやマウスの上のそこかしこに、小さな水滴が点々とついている。 なぜ水滴が……。 俺は不審に思いながら、復帰したディスプレイ画面を見た。 背景はウェブブラウザだ。どこかの巨大掲示板が画面に映されている。 その手前にワープロソフトが立ち上がっている。 短い文面。 「……ばっ……かやろ……っ!!」 次の瞬間、俺はアパートを飛び出していた。 外は雨。 傘を忘れている。 知るか! 俺は雨の中を走る。 ワープロで書かれた、それは短い置き手紙。 マスター もうこれ以上迷惑かけられません さようなら ティア 次へ> トップページに戻る